12月18日(水)夕方の毎日放送「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』にて、梅田の立ちんぼについて、8分にわたる特集が放映されました。

12月18日(水)夕方の毎日放送「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』にて、梅田の立ちんぼについて、8分にわたる特集が放映されました。
地域で対策会議を何度も開き、夜間のパトロールを実施し、曾根崎警察署は摘発を強化し、科捜研によるナッジ理論に基づいた行動変容を促すことで対策する実験をおこなっています。
その様子がコンパクトにまとめられて特集で放映されました。
アーカイブがYouTubeにアップされているので、シェアします。
9分10秒あります。
以下、文字起こしをしたので、掲載します。

(路地)
日本有数の繁華街・梅田。
栂野町エリアには複数のラブホテルや飲食店が立ち並ぶ。
午後10時。
通りにはスマートフォン片手に10人ほどの女性が立っていた。
なにかを待っているようだ。
しばらくすると、男性が路上に立っている女性に声をかけた。
2人は何か話し込んでいる様子。
路上に立つ若い女性にサラリーマン風の中年男性が話しかけている。
そして、女性が男性とともに歩きはじめた。
2人は夜の街へと消えていった。

このエリアは路上で売春の客待ちをする、いわゆる立ちんぼが多く集まるエリアとして、以前から知られている。
コロナ禍後は、10代や20代の若い女性が急増しているという。

(パレードの様子)
私たちは犯罪のない明るいクリーンなまちを目指しています。

地元住民らは定期的にパトロールをおこなったり対策会議を開いたりするなど、長年にわたってまちの環境改善に頭を悩ませている。
(マチソワでの会議)
変な雰囲気というか、普通じゃないなと、異様だなというふうに思ってしまうので、訪れたい場所ではないのかなと思う。
地域の方々も非常に大きな問題として家族で話し合っているし、子育て中の親御さんにとっても、あの道は通ったらあかん、と。

(路地)
警察も取り締まりを強化している。
今年10月に一斉摘発をおこない、20代から30代の女5人を売春防止法違反の疑いで逮捕した。
警察によると、この一帯で1年間で30人が客待ちの疑いで逮捕されている。
しかし、摘発を受けても客待ちの女性は路上から一向にいなくならない。
彼女たちはなぜ立ちんぼを続けるのか?

(女性)
だいたい4、5ヶ月前くらいから立っている。
生活のため。生活の足しのため。
家賃とか食費とか、そっちに回している。

(29歳の女性)
仕事が見つからず、生活に困り、売春をしている。
稼げる。1日多くて6〜7万円。毎日。
怖いっちゃ怖いけど、今のところは大丈夫なんで。
最初のときは怖かったですよ。
たしかに売春は法律で禁じられている犯罪ということはわかっているけど、交渉成立すれば別にいいじゃないですか。
もっと悪いやつを捕まえればいいのに。
こういう子たちを捕まえるのは、よくわからない。

一方で、売春で稼いだ金をホストクラブなどの遊興費に充てている女性も多い。
取り締まりをしても、一向になくならない立ちんぼ。

(曾根崎警察署)
大阪府警と警察庁・科捜研の心理学のスペシャリストがタッグを組み、新たな対策を打ち出した。

(科捜研・犯罪予防研究室 島田貴仁室長)
今回おこなう介入の基本的な考えは、環境デザインによる犯罪予防。
対策では、路面を黄色く塗って、絵を貼り、客待ちをしにくい環境をつくる。
どんな雰囲気になるのだろうか?
一見大きな変化ではないように感じるが、行動心理学の「ナッジ理論」に裏打ちされた対策だ。

(ナッジ理論)
強制せずに無意識に行動を促す行動理論。
たとえば、
コンビニのレジ前に足跡のかたちの絵をプリントしておくと、自然とその足跡に沿って列ができる。
男子トイレの便器に的を描いておくと、床の汚れが軽減される。

この理論を応用する。
路面を派手な黄色にするのは、その場に止まりにくい雰囲気にする狙いがある。
路面には魚を描いた複数の絵を貼る。追いかけたくなる人間の心理を利用し、魚の絵を辿ると、自然と路地から出ていく効果が期待できる

(科捜研・犯罪予防研究室 島田貴仁室長)
場所に介入することで問題が改善できる可能性がある。客待ちだとか交渉だとか連れ出しを困難にさせることができる。

(警察)
この場所からの排除だけでなく、希望する女性を全国の女性相談支援センターへつなぐなどの取り組みを実施。一歩踏み込んだことを曾根崎警察署もやっていく。
釈放された女性の希望があれば、警察の車で、生活支援をおこなう行政機関まで送り届ける取り組みをはじめた。

(路地)
今月、通り100mが黄色く塗られ、10枚の魚の絵が通りの端から端まで誘導するカタチで貼られた。
ビルに囲まれて昼間でも薄暗かった路地が、明るい雰囲気に生まれ変わった。

(科捜研・犯罪予防研究室 島田貴仁室長)
この取り組みが、路上客待ちの問題が大都市どこでも今起きている中で、少しでも問題解決につながってほしいと思っています。

(路地)
翌夜、通りを訪れてみると、路上に立っている女性は数人。確実に数は減っていた。
が、
女性に話を聞くと、
黄色が反射するから明るくなったね。だからメインの女の子たちは、天王寺とミナミに流れたらしいよ。やめるつもりはないね。

問題解決に向け、試行錯誤は続く。

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